ペットロスから立ち直れない…心の原因と、今できること
家族の一員として一緒に時間を紡いできた、ペットちゃん。
ペットちゃんが亡くなると、心に大きな穴が開きますよね……。
「悲しい」「苦しい」という感情は誰もが直面するものですが、人によってはそれが深刻なペットロスにつながることがあります。
実際、ペットを亡くした方の約7割はペットロスを経験するそう。
心だけではなく体にも影響が出ると、日常生活に支障が及びかねません。ペットロスの原因や、今できることを紹介するので、ぜひ立ち上がるためのヒントにしてください。
ペットロスは“心”と深く関係している
ペットロスは“心”によって引き起こされます。
ペットちゃんのことを深く愛していた分、喪失感は計り知れないですよね……。
悲しくて当たり前、つらくて当たり前。無理に元気なふりをしなくて構いません。むしろ、今の悲しみにしっかり目を向けることが、ペットロス克服の糸口になるのです。
まずは、ご自身の心の状態を客観的に知ることから始めましょう。
自分を責めている
事故や病気など、突然のお別れに飼い主さんの心の整理がつかないケースは多々あります。
「あの日に散歩なんてしなければ」「もっと動物病院へ頻繁に連れて行ってあげていたら」など、後悔をあげればキリがないでしょう。
確かに、飼い主さん側の後悔は計り知れません。しかしペットちゃんはどうでしょう。「飼い主さんが〇〇してくれなかったから!」と不満を抱えているでしょうか?
ペットロスになるまで深く愛されたペットちゃんですから、どのような最期であっても「ぼくを大切にしてくれてありがとう」と穏やかな気持ちでいると思いますよ。
悲しみから目を背けている
何かに悲しんでいるときに、「泣かないで」「元気出して」といった言葉をかけられた方は多いでしょう。励ますつもりの善意の言葉は、「泣いてはダメなんだ」「悲しんではダメなんだ」というように変換されて根付きがちです。
しかし、心の底から「大丈夫」になるには、悲しみときちんと向き合わなければなりません。
つらい、悲しい、苦しい……その気持ちをありのままに受け止めて、今は泣きたいだけ泣きましょう。
現実を受け止めきれていない
「朝が来れば、またあの子がひょっこり顔を出すような気がして」
死という現実を受け止めきれず、心が宙をふわふわ漂っている方もいるでしょう。
しかし、悲しみを先送りすると、ペットロス回復までの期間は遠くなってしまいます。
「あの子はもういない」
その現実をしっかり受け止めてくれたほうが、ペットちゃんも安心するのではないでしょうか。
ペットロスがもたらす主な症状
ペットちゃんの死は、飼い主さんの心や体に大きな影響を及ぼします。
人によって症状は異なりますが、代表的なものは以下の通りです。
・後悔
・罪悪感
・落ち込み
・無気力
・躁鬱の差が激しい
・だるさ
・過呼吸
・発熱
・頭痛
・ほとんど食べられない
・必要以上に食べ過ぎてしまう
・うまく眠れない
・幻覚や幻聴
・持病がさらに悪化する
・外出できなくなった
ご自身がペットロスと気づいていないケースもありますが、「自分がペットロスだとわかっているけれどどうにもできない」という方もたくさんいます。
でも、それで良いのです。まずはご自身の状態を客観的に知ることが、現状打破の一歩目なのですから……。
ペットロスから立ち直るために、今できること
ペットロスの真っただ中にいる方は、心がとてもデリケートな状態です。
「早く回復したい」⇒「うまくいかない」⇒「やっぱり私はダメなんだ」⇒落ち込み悪化……という悪循環になりがちなので、焦らないことを第一に考えてください。
アメリカの精神科医による調査では、ペットロスから立ち直るには約10か月程度かかるそうです。人によっては1年以上かかることもありますが、どちらにしても、今日明日すぐに回復するのは難しいでしょう。つまり、最初から長期戦覚悟でゆったり構えるのがベスト。「いつか、きっと」と思いながら、現実を徐々に受け入れてください。
しっかりと供養したら、思い出を振り返ったり、遺品を整理したり、誰かに話を聞いてもらったり、新しい趣味を見つけたりして、「ペットちゃんのいない毎日」に少しずつ馴染みましょう。そのうちに、自然に心が消化していくはずです。
あるアンケート調査では、ペットロスから立ち直ったきっかけについて、このような声が寄せられたそうです。
・時間の経過を待つ
・お墓の手入れやお墓参り
・ペットの遺品整理
・ペットロスの経験がある人と話す
・部屋の模様替えをする
・1日の過ごし方を変える
・形見をつくる
・ペットとの思い出を振り返る
・動物と関わるボランティアをする
・専門家にカウンセリングを受ける
さまざまな方法の中で最も多く挙げられたのが「時間の経過を待つ」でした。
ペットちゃんとの別れもそうですが、人間同士の死別や別れなどと同じように、悲しみは時間が少しずつ癒してくれるものです。
いつまでも涙が流れる方もいると思いますが、たとえば、今の悲しみと50年後の悲しみは“質”が異なるはず。だから、心の傷は無理に治そうとせずに、そっとしておくのも一つの方法です。ゆるやかに過ぎ去る時間は、いつか、最期の瞬間も今の苦しみも「思い出」としてやさしく彩ってくれるでしょう。
ペットちゃんは飼い主さんの笑顔が大好き
最愛のペットちゃんが亡くなって、つらくない方なんていません。
でも、悲しんでも後悔しても、あの子が戻ってくることはないのです……。
通常であれば、魂の存在になったペットちゃんは真っすぐ虹の橋に向かいます。本能的に、亡くなったらどこへ行くべきか分かっているのでしょう。
現世では別れかもしれませんが、ペットちゃんにとっては新しい人生(犬生)のスタート。虹の橋はたくさん花が咲いていて、とても心地よい場所です。空の上から飼い主さんの笑顔を思い浮かべながら、そこでたくさんの友達と一緒に、幸せな毎日を過ごすのです。
しかし、飼い主さんがいつまでも涙を見せていたらどうでしょう。ペットちゃんは心配のあまり旅立てないのではないでしょうか。まして、飼い主さんがご自身を責めているなんて知ったら……。
「そんなことないよ、気にしないで」「ぼくはすごく幸せだっだし、これからもずっと飼い主さんが大好き!」といくら叫んでも、飼い主さんは塞ぎ込むばかり……。
ペットちゃんは幸せな気持ちで旅立つどころか、悲しい顔をしてしまうでしょう。
そう、ペットロスになることは、ペットちゃんを悲しませることでもあるのです。
ペットちゃんは飼い主さんの笑顔が大好きだから、十分に悲しんだら、涙をぬぐって顔をあげてください。
「私は大丈夫。だからあなたも、虹の橋で元気に過ごしてね」「ありがとう、大好きだよ。いつか必ずまた会おう」
そんな言葉をかけてもらえたら、ペットちゃんも安心して旅立っていけるのではないでしょうか。
ペットちゃんの死は“終わり”ではありません。
いつかまた会うための準備期間に入っただけ……。
ペットロスから立ち直って、振り返ると、そのやさしい事実にきっと気づくはずです。
お互いがそれぞれの場所で幸せに過ごしていたら、そのうちにふっと、小さな出会いが降ってくるでしょう。
まとめ
ペットロスは飼い主さんの約7割が経験する症状です。
しかし、体はなくなっても、飼い主さんとの絆は変わりません。
ペットちゃんはいつまでも飼い主さんの笑顔が大好き。
「自分のせいで」とペットちゃんに心配をかけないためにも、涙を拭いたら、顔をあげてください。
虹の橋と、地上。
「出会えてよかった」「ありがとう」
すてきなテレパシーは、次元も時空も通り越して、いつまでも続いていくでしょう。