ペットちゃんの旅立ち……亡くなるときってどんな気持ち? 生まれ変わってまた会える?
命あるものは、いつかは“終わり”を迎えます。
それは、愛情を注いできたペットちゃんも同じ。ペットちゃんは人間よりも早く歳をとるため、飼い主さんが見送ることがほとんどです。
ペット火葬業を営んでいる私は、飼い主さんの苦悩に直面することが少なくありません。
「あの子に何もしてあげられなかった。自分は飼い主失格だ」「帰宅が間に合わなくて看取れなかった」など飼い主さんの悲痛な思いと深い愛情に、いつも胸が締め付けられます。
どのような形のお別れでも、ペットちゃんが飼い主さんを責めることは決してありません。
看取れても、看取れなくても、病気でも、寿命でも、すべてのペットちゃんは心穏やかに旅立っていくのです。
ペットちゃんはどのような気持ちで旅立つの?
お空へ旅立ったペットちゃんを前に、自分を責める飼い主さんは数多くいます。
しかし、どのような場合でも、ペットちゃんと飼い主さんの絆は変わりません。たとえ最期の瞬間に間に合わなくても、ペットちゃんはちゃんとわかっているから大丈夫。
ペットちゃんはずっと、飼い主さんの幸せを願っています。
飼い主さんが急いで自分の元へ駆けつけようとしているなら、「そんなに急ぐと危ないよ。ぼくなら大丈夫だから」。
また弱っていく自分に飼い主さんが涙を流しているなら、「飼い主さんのせいじゃないよ! 泣かないで。ぼくのことを大事に思ってくれて幸せだよ」など、たくさんの愛情で包んでくれるでしょう。
飼い主さんの優しさにずっと触れてきたペットちゃんは、亡くなるときに穏やかな気持ちで旅立ちます。
どのような最期を迎えても、それは変わりません。たくさんの「ありがとう」の気持ちと、飼い主さんの幸せを願いながら、静かに目を閉じるのです。
ペットちゃんが亡くなったら、会いたいと思うのは自然なことでしょう。
しかし何か月・何年も思い続けていると、むしろペットちゃんを悲しませてしまいます。「飼い主さんがぼくを呼んでる。でも今のぼくにはどうにもできない……」など心配のあまり天国と現世の間に留まってしまうかも。
泣くだけ泣いて、落ち込むだけ落ち込んだら、ある程度で区切りをつけるのも大切です。会いたいという気持ちは痛いほどわかりますが、どれほど願っても、どれほど涙を流しても、「あの子」にはもう二度と会えないのです。
その代わり、たったひとつ、望みがあります。
それは、生まれ変わりを信じることです。
ペットちゃんは生まれ変わる?
絆を紡いだ「あの子」は、お空へと旅立ちました。
魂だけの存在になったので、もう触れることも話すことも叶いません。
「あの子」には二度と会えません。悲しいですがそれが事実です。でも、その事実を受け止めると心が壊れてしまいそう……。
そんなときは「生まれ変わり」に望みを託してはいかがでしょうか。ペットちゃんが亡くなっても、飼い主さんとの絆は変わりません。お互いがお互いの幸せを願い、「また会いたい」と強く願っているなら、いつか神様が引き合わせてくれるかも。
スピリチュアルの世界では、動物は動物に生まれ変わるとされています。
愛犬が、また同じ犬として生まれ変わることもありますが、違う種類の動物として飼い主さんの前に表れることも珍しくありません。
あの子の死後、近寄ってくる動物がいたら注意深く見てください。あの子と同じような目、同じような仕草、同じような性格…… もしかすると、生まれ変わって会いに来てくれたのかも。
飼い主さんに気づいてもらうためにさまざまな“サイン”でアピールするので、しっかり受け取ってあげてくださいね。
また「不思議な縁でたまたま飼うことになった」という話もわりと耳にします。それもきっと、神様が「また会いたい」という願いを叶えてくれたのでしょう。
ペットちゃんが生まれ変わるまでの期間は?
ペットちゃんがいなくなると、心にぽっかりと穴が開きます。
生まれ変わりでもいいから、1日でも1秒でも早く会いたいですよね。
実は犬の場合、早くて死後数時間、遅くても一年程度で生まれ変わるといわれています。人間よりも早く歳をとるので、生まれ変わるまでの期間も短いのでしょう。
ただ、生まれ変わりには条件があります。それは、ペットちゃんが現世に未練を残していないこと。
大好きな飼い主さんが自分の死をいつまでも悲しんでいたら、ペットちゃんは心配のあまり成仏どころではなくなってしまいます。「こっちは大丈夫。だからお空の上で幸せに過ごしてね」と飼い主さんが笑顔でいてくれれば、ペットちゃんも安心して新しい人生(犬生)へと踏み出せるでしょう。
ペットちゃんの生まれ変わりの実話
飼い主さんの中には、不思議なエピソードを持つ方が少なくありません。
どうやら「生まれ変わり」は、スピリチュアルな世界の話ではなく、実際に身近にたくさん起こっているようです。
ペットちゃんとの別れはつらいですが、ペットロスに陥るほど辛いなら「生まれ変わったらまた会えるかも」と思いを馳せてみてください。一筋の希望があるだけで、ずいぶん世界が変わって見えませんか。
■夢の中で
愛犬を失って2か月。飼い主さんはまだ失意の中にいました。
見かねたご家族が「新しい子を迎えようか」と譲渡会参加の話を持ち掛けたものの、「まだそんな気分じゃないから……」と断ったそうです。
しかしその日の夜、不思議なことが起こりました。
飼い主さんの夢の中に、2匹の犬が出てきたのです。
1匹は、先日亡くなった愛犬。もう1匹は見たことがありません。2匹は仲良くじゃれ合っています。時折飼い主さんのほうを見ながら、とても幸せそうに……。
目が覚めたとき、飼い主さんはなぜか「譲渡会に参加しなければ」と思い至ったそうです。あれほど乗り気ではなかった譲渡会。急な方向転換にご家族は困惑したとか。
そして譲渡会当日、会場に入ってすぐ、知っている犬が目に飛び込んできました。そう、夢で見たあの犬です。その子もこちらを見て、飛び跳ねながら尻尾を振っています。
飼い主さんは「ああ、あの子の生まれ変わりだ」と確信したそうです。
家族としてお迎えして、毎日一緒に過ごして、あの子の面影に驚くことばかり。家族も皆「本当にそっくり!」と驚いているそうです。
きっと亡くなった愛犬が、「この子に生まれ変わったんだよ! よろしくね」と夢で教えてくれたのでしょうね。
■尻尾が目印
愛犬の尻尾はちょっと特徴的。真っ白なのですが、中央の一か所だけ茶色いそうです。
飼い主さんはそれをチャームポイントとしてかわいがっていました。
お迎えから約10年後、愛犬は静かに天国へ旅立ちました。息を引き取る瞬間、「生まれ変わってまた会おうね」と泣きながら声をかけたら、かすかに愛犬が頷いたそうです。
愛犬とお別れして半年が経ったころ、家の前に一匹の猫がやってきました。灰色の猫ですが、尻尾の真ん中が一か所だけ茶色くなっています。
そう、あの子と同じ……!
飼い主さんが駆け寄ると、猫はうれしそうに鳴きました。その日以来、時折やってきては、飼い主さんやご家族と遊んで、またどこかへ姿を消すそうです。
まとめ
ペットちゃんは、どのような最期であっても、穏やかな気持ちで旅立ちます。
後悔や自責の念を抱える飼い主さんもいると思いますが、ペットちゃんは飼い主さんがご自身を責めることを望んでいません。
ペットロスになるほど辛ければ、「生まれ変わったらきっとまた会える」と信じてみてください。その願い、いつか神様が叶えてくれるかもしれませんよ。