ペットが飼えなくなった!どうすればいい? ~ペットも飼い主も幸せに~
長い人生、何があるかわからないものです。
どれほど大事に思っているペットちゃんでも、事情により、どうしても手放さなければならないときもあるでしょう。
側にはいられなくても、ペットちゃんには幸せに生きていってほしいですよね。
ペットを飼えなくなりそうなとき、飼い主さんはどのようにすれば良いのでしょうか。
ペットちゃんが飼えなくなるのは、こんな時
一生離れないと誓ったペットちゃん。しかし、年月と共に飼い主の事情は変わってくるものです……。
たとえば、
・飼い主さんの体力が落ちてきて、ペットちゃんの世話が大変になってきた
・飼い主さんの足腰が弱くなり、毎日の散歩がつらくなってきた
・飼い主さんの握力や視力が弱くなり、ペットちゃんの爪切りがうまくできなくなってきた
・飼い主さんが入院することになった
・飼い主さんの転居先のアパートがペット不可物件だった
・飼い主さん夫婦が離婚することになったが、どちらもペット引き取りが難しい状態
・飼い主さんが怪我を負い自宅療養、ペットちゃんのお世話ができない
・家族の誰かが動物アレルギーを発症してしまった
・ペットちゃんの介護で仕事を休むのが難しくなってきた
・ペットちゃんが赤ちゃんを産み、飼いきれなくなった
・高齢ペットや介護が必要なペットへの対応がわからない
・病気がちなペットちゃんの治療費が支払えなくなってきた
・経済的に苦しく、ペットちゃんの飼育費が払えなくなってきた
……などが代表的です。
その他にも、
・ケージに閉じ込めている時間が長い
・爪が伸び放題
・毛並みが毛玉だらけになっている
・水や餌を十分に与えていない
・ペットちゃんが痩せすぎている
・怪我や病気を患っているのに、動物病院へ連れていかない
……など、思い当たることがある方もご注意ください。
飼いたいけれど、もうこれ以上飼うことはできない……。
無理をして一緒にいても、お互いが不幸になるだけかもしれません。
ペットちゃんの幸せを願って、第二の人生を与えるのもひとつの選択肢といえるでしょう。
飼えなくなったペットちゃんは、どうすればいい?
ペットちゃんが飼えなくなったら、次の預け先を探さなければなりません。
ただ、ペットちゃんによっては急な環境変化に戸惑うことも……。
普段から“短時間預かり”に慣らしておくと、いざというときもストレスを感じにくいでしょう。
ペット預かりの民間サービス
・ペットシッター:ペットシッターは、自宅を訪問してお世話(散歩や介護など)をしてくれます。「自分はお世話できないけれど、ペットちゃんは手放せない」という方におすすめのサービスです。
・トリミングサロン:シャンプーや毛玉取りなどは、意外に労力がかかるものです。トリミングサロンに頼めば、ペットちゃんの身のまわりの世話をまるごとお任せできますよ。業者によっては送迎してくれることもあるので、飼い主さんの負担は各段に減るでしょう。
・動物病院:動物病院は、ペットちゃんの短期入院や往診に対応していることもあります。病気がちなペットちゃんを抱えていても、動物病院まで頻繁に往復しなくて済むので助かりますね。
一時預かり
たとえば入院が決まった飼い主さんは、「このままあの子を家に放置するわけにいかない」と考えることが珍しくありません。
でも大丈夫。
一時預かり先を確保すれば、時期がきたらまた一緒に暮らせるでしょう。
・友人や親戚など:飼い主が信頼できる人物で、なおかつペットちゃんもよく懐いているなら、その方に一時預かりを相談してみましょう。
「うちの子はこんな性格で、好きな食べものは〇〇で……」など詳しい情報を伝えておくと、引継ぎがさらにスムーズになりそうです。
・ペットホテル:短期から長期まで預かってくれるのがペットホテル。動物のことを知り尽くした専門スタッフに任せられるのも、飼い主さんにとっては安心材料ですね。
ホテルによって料金や条件(ワクチン接種済など)が異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
なお、動物病院の中にはペットホテルを併設しているところも少なくありません。
新しい飼い主に譲渡(ペットと生涯離れるという選択)
・自分で飼い主候補を探す:里親募集サイトで呼びかけたり、飼い主募集の貼り紙を作成したり、動物病院に仲介を依頼したりする方法があります。
もし立候補者があらわれたら、ペットちゃんと一緒に一度会ってください。ペットちゃんが懐くような相手なら、きっと終生幸せにしてくれるでしょう。
・保護団体に相談する:飼い主探しの仲介を、ボランティアで請け負っている保護団体は少なくありません。1日2日では見つからないかもしれませんが、ペットちゃんの性格や好みを踏まえたうえでマッチングしてくれるので、信頼性は高いでしょう。
・老犬・老猫ホーム:ペットちゃんを手放す理由が「高齢」であれば、老犬・老猫ホームに預ける方法もあります。サービス内容は事業者によって異なりますが、預けても定期的に面会できたり、様子を報告してくれたりするところも少なくありません。
見学したり話を聞いたりして、サービス内容をしっかり確かめておきましょう。
飼い主さんがペットちゃんのために今できること
事故や病気など、思いがけない事態は誰の身にも起こり得るものです。
飼い主さんに万が一のことがあったら、残されたペットちゃんはどうなるのでしょうか……。
ペットちゃんにいつまでも幸せでいてもらうため、飼い主さんが今できることを2つ紹介します。
いつ、何が起こるかは誰にもわかりません。だからこそ、健康な今のうちに万全の備えをしておきましょう。
ペットちゃんのための遺言書をつくる
万が一のことを想定して、ペットちゃんのための遺言書を作成する方は少なくありません。
たとえば「ペットちゃんを誰に託すのか」「ペットちゃんのための財産」など、“こうしたい”と思うことはありませんか?
行政書士や弁護士に相談して、法的に有効な遺言書を残しましょう。
なお、ペットちゃんを誰かにゆずりたいと思っている場合、その相手にはあらかじめ相談しておいてくださいね。
ペット信託にお金を預ける
信託会社にお金を預けておけば、いざというとき、そのお金をペットちゃんのために有効に使ってもらえます。
飼い主さんが亡くなると相続問題が出てきますが、ペット信託に預けたお金は相続財産とは異なる扱いになります。大事なお金を確実にペットちゃんに使ってもらえるので、飼い主さんも安心ですね。
健康な方はもちろん、「自分以外、誰もペットのお世話ができそうにない」という方にもよく利用されているサービスです。
まとめ
ペットちゃんが飼えなくなる事情は、いろいろあります。
ただすべてに共通しているのは、「自分と離れた後も、ペットには幸せに生きてほしい」という飼い主さんの思い。離れたくないのに離れなければいけないというジレンマは、とてもつらいですよね……。
もし手放す選択をしても、ペットちゃんはあなたと過ごした時間を終生忘れることはないでしょう。新しい飼い主さんの元で楽しく暮らしていても、あなたのことをふと思い出して、「あの人が今日も笑顔でいますように」と願ってくれるはずです。
お互いが、お互いに幸せになるための選択。
それが「離れる」でしか解決しないこともあります。
一緒に過ごした思い出、紡いだ絆、離れていてもお互いを想う心……。すべて、離れても変わることはありません。
ペットちゃんとあなたに、すてきな第二の人生が待っていますように。