猫をもう一匹飼いたい! 多頭飼いの心構えや対面までの流れを解説
1匹でもかわいい猫ちゃんですが、複数いるとかわいさ倍増ですし、生活もさらににぎやかになります。
しかし猫ちゃんの多頭飼いには、いくつかの注意点があります。
多頭飼いの心構えや準備、対面までの流れなどをお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
多頭飼いをするときの心構え
猫ちゃんの性格はそれぞれ異なります。
同じ空間で一緒に暮らすからこそ、猫ちゃんにとって快適な環境を整えてあげてくださいね。
猫同士の相性を考える
多頭飼いするなら、猫ちゃんの性別や年齢などを考慮しましょう。もちろん猫ちゃんの性格にもよりますが、一般的な相性は以下の通りです。
・メス同士:メス同士だと、新しくお迎えした子と仲良くなりやすいものの、最初はお互いに神経質になるかもしれません
・オス同士:成猫の場合、縄張り意識から喧嘩になることが多いです
・オスとメス:去勢や避妊を済ませた子同士だと、仲良くなる傾向が高いです
・若い猫:年齢が若いほど、新しくお迎えした子と仲良くなる傾向が高いです
・兄弟猫:比較的スムーズに仲良くなれるでしょう
・高齢猫:ストレスが体調に影響することがあるので、避けた方が賢明です
・飼育年数の短い先住猫:新しくお迎えした子と仲良くなる傾向が高いです
・単独行動の好きな先住猫:飼い主の愛情をめぐって喧嘩しなくて済むので、新しくお迎えした子と仲良くなる傾向が高いです
何匹お迎えするのかを考える
「多頭飼い」といっても、2匹の飼育から10匹以上の飼育までさまざまです。
猫ちゃんが好きな方は何匹もお迎えしたくなるかもしれませんが、猫ちゃんがそれぞれ幸せに暮らすために、飼育頭数には上限を設けましょう。
イメージとしては、「猫ちゃんが出入り可能な部屋数-1匹」または「猫同士が2m以上の距離を確保できる頭数」が理想です。
猫はもともと縄張り意識を持つ動物なので、狭い部屋に一緒に暮らすとストレスやトラブルにつながりかねません。広さに余裕がない場合は、キャットタワーや段ボールなどの設置でも代用できますよ。
費用や労力を考える
猫ちゃんの飼育には、お金や手間がかかります。猫を複数飼うということは、単純にそれらが倍になるということに……。
一匹ごとの健康管理、トイレ砂の交換、ブラッシングなど、飼い主さんの“やること”は多くなります。「やっぱり無理だった」と途中で投げ出さないために、ご家族で分担を考えるのも良いでしょう。
災害時の避難方法について考える
災害時はなにかとパニックになるもの。1匹だけならキャリーバックや抱っこでどうにか対応できても、2匹以上になるとなかなか難しいものです……。
1分1秒を争う事態に、もたついてはいられません。万が一のことが起きても全頭スムーズに避難できるように、あらかじめご家族と役割や方法を話し合っておきましょう。
多頭飼いをするときの準備
新しい猫ちゃんをお迎えすることが決まったら、そのための準備を整えてください。
人間だって猫ちゃんだって、初めての環境はなにかと不安がつきもの。万全の状態でお迎えすれば、「ここは住みよい場所だ」と認識してくれるでしょう。
キャットタワーや段ボールを設置する
猫ちゃんには、一匹でくつろげるスペースが不可欠。
キャットタワーや段ボールを駆使すれば、天井までのスペースを有効活動できるでしょう。
その他、市販のつい立てや大きめの箱などもおすすめです。
トイレの数を増やす
猫ちゃんの数が増えると、トイレに行きたいときにすでに使用中だったり、汚れたりしがちです。
ストレス軽減および衛生的に使うために、トイレを増設させておきましょう。
トイレへの動線を複数確保する
トイレを増設しても、複数の猫ちゃんがいると、思うように道を通れないことも……。
トイレへの道は1本だけではなくて、2本以上確保してあげましょう。
トイレを我慢すると体調に影響したり粗相の原因になったりするので、一匹一匹の猫ちゃんが快適に暮らせるように工夫してあげてください。
また、ごはんへのルートも同じです。
やんちゃな猫ちゃんには鈴をつける
「ペットショップで抱いたときは良い子だったのに、一緒に住んでみたら喧嘩早い子だった」というように、住んでみて初めてわかることってありますよね。
やんちゃな猫ちゃんには、鈴をつけることをおすすめします。鈴の音が近づいたら、他の猫は危険を察知して回避行動をとれるでしょう。
ただ、一般的な首輪だとどこかに引っかかった際に大怪我につながる恐れがあります。圧力がかかると外れるタイプのものを選べば、目の届かない場所にいても安心ですね。
先住猫と新しい猫を対面させるときの4ステップ
いくつもの準備を経て、いよいよ先住猫と新しい猫がご対面のときです。
いきなりヒョイと放つとお互いに驚いてしまうので、きちんと手順を踏みましょう。
1:最初は別々の部屋で過ごす
初めて家に来た日に先住猫と会わせるのはできれば避けましょう。
1週間程度は別々の部屋で飼育して、新しい子を環境に慣れさせてください。
1週間もすれば、その子のにおいがついたモノ(おもちゃやタオルケットなど)がいくつかできるでしょう。飼い主さんはそれを持って、先住猫の部屋に置いてください。そして先住猫のにおいがついているモノを、同じように新しい子の部屋に置きましょう。
興味を持って近づいたりにおいを嗅いだりしているようなら、GOサインは近そうです。
2:ドア越しにごはんを食べさせる
新しい猫ちゃんが環境に慣れてきたようなら、ドア越しに先住猫とごはんタイムをしましょう。
とは言っても、まだお互いの姿を見せてはいけません。
ドアを隔てた位置にそれぞれのごはんを置き、お互いに食べさせます。姿は見えなくても、猫ちゃんたちは気配やにおいで「自分とは違う“何か”がいるようだ」と察するはずです。“ごはん”は猫ちゃんにとってポジティブなアイテムですから、ポジティブな気持ちのときにお互いの存在を知ることで、「姿は見えないけどなんだか楽しそう」というように良い印象につなげられるでしょう。
この「ドア越しごはん」は一週間程度おこなってください。
3:ケージ越しに対面させる
「ドア越しごはん」に慣れてきたら、ケージ越しに対面させましょう。
新しい猫ちゃんはケージに入れたままですが、先住猫は自由に行動させて大丈夫です。(ケージには半分くらいタオルをかけてあげるとさらに良いです)
初めはどちらかが威嚇するかもしれませんが、何度か繰り返すうちに慣れてくるものです。お互いがお互いの存在を知って、同じ空間にいることが当たり前になれば、お互いがケージなしで自由に対面できる日は近いでしょう。
4:ケージを開けて対面させる
お互いの存在に慣れてきたら、いよいよ直に対面するときです。
猫ちゃん1匹につき家族1名が付き添うのが理想です。急がず、家族がそろう休日を待っても良いですね。おもちゃやおやつなどを使いつつ、ポジティブな声掛けをしていきましょう。
先住猫、あるいは新しい猫ちゃんに不安がみられるようなら、部屋を別々にしたり、新しい猫ちゃんをケージに戻したりしてください。
初回の対面でうまくいかなくても、繰り返せばリラックスしてくるもの。「一進一退の日々だったけど、なぜか今日突然仲良くなった」というようなケースも多いので、焦らず見守ってあげてください。
まとめ
猫ちゃんの多頭飼いは、大変なこともありますが、それ以上に楽しさや癒しを得られます。
お迎え初日に対面させずに、最初はにおいや気配から、そして姿かたちが見えない状態でドア越しに一緒にごはん……というように手順を踏みながら距離を縮めていきましょう。
猫ちゃん同士が仲良くしている様子を見ると、こちらまでほっこりするものです。
先住猫と新しい猫ちゃんが頬をくっつけて眠る日も、そのうち来るかもしれませんね。