犬をもう一匹飼いたい! 多頭飼いのメリットや注意点を解説

犬をもう一匹飼いたい! 多頭飼いのメリットや注意点を解説

 

従順で健気で、かわいいワンちゃん。

「犬が好きだからもう一匹飼いたい」という方もいれば、「先住ペットが寂しくないように」とお迎えを検討している方もいるでしょう。

 

家族が増えれば生活がもっと楽しくなりますが、犬を2匹以上飼育する際にはいくつかの注意点があります。

ワンちゃんも人間も幸せになるために、犬の多頭飼いについて詳しく見ていきましょう。

 

 

ワンちゃんの多頭飼いのメリット5つ

 

「多頭飼いによる飼育崩壊」がしばしばニュースで取り上げられていますが、ワンちゃんの特性を理解して適切に飼育すれば、ワンちゃんにも人間にもプラスになることばかり。

たとえば、多頭飼いには大きく5つのメリットがあります。

 

ワンちゃんが社会性を身に付けられる

 

多頭飼いは、ワンちゃんにとって「同じ目線で遊んだり喧嘩したりする仲間ができる」ということ。

人間もそうですが、“社会でうまくやっていくスキル”は、他者とコミュニケーションを取りながら徐々に身につけていくものです。

仲間とじゃれ合いながら生活することで、次第にワンちゃんには社会性が育まれていくでしょう。

 

特に「散歩中に他の犬と会うと吠える・おびえる」というワンちゃんの場合は、効果が目に見えてあらわれるかもしれませんね。

 

ワンちゃんが寂しくならない

 

どれほどワンちゃんのことが好きな飼い主さんでも、仕事や学校などで不在にする時間があるでしょう。

仕方ないことではあるものの、ワンちゃんに寂しい思いをさせているのではと思うと、胸が締め付けられますよね……。

 

多頭飼いをすれば、ワンちゃんには遊び相手ができます。飼い主さんが留守中のストレスを軽減するのはもちろん、「今ごろ楽しく遊んでいるかな?」なんて想像するだけで飼い主さんも安心できるでしょう。

 

新しく迎えたワンちゃんのしつけがしやすい

 

犬は、本来群れで生活する生きもの。新しくグループに加わった犬は、先住犬の立ち振る舞いを見ながら学んでいきます。

 

人間との生活でも同じで、先住犬にしっかりしつけができていれば、2匹目以降は自然にそれに倣います。「最初の子はしつけが大変だった」というご家庭でも、2匹目以降のしつけは意外に楽かもしれません。

 

ワンちゃんの運動不足解消

 

仕事が忙しかったり天候不良が続いたりすると、思うようにワンちゃんの散歩ができないこともあるでしょう。

ワンちゃんにとって運動不足はストレスにつながるため、できるだけ毎日運動する時間を確保してあげたいものです。

 

そこで活躍するのが、仲間の存在。仲間と同居していると、走り回ったりじゃれ合ったりして自然と「運動」します。

「最近無駄吠えが多くて」「噛みつくようになった」などワンちゃんの問題行動にお悩みなら、仲間をつくってあげることで解消するかもしれません。

 

ワンちゃんも人間も楽しい生活になる

 

1匹のワンちゃんとの生活も楽しいですが、2匹以上飼育したときのワチャワチャ感は、にぎやかで唯一無二。

思い出も2倍3倍になるうえ、コミュニケーションもさらに増えるでしょう。

 

飼い主さんが家事や育児に追われていても、ワンちゃん同士が仲良く過ごしている姿を見ると思わずホッコリ。ワンちゃんも人間も、多頭飼いならではの魅力を存分に感じられるはずです。

 

 

ワンちゃんの多頭飼いの注意点4つ

 

メリットのたくさんある多頭飼いですが、注意点もいくつかあります。

メリット・デメリットどちらも理解したうえでお迎えすれば、思い描いたような楽しい生活が待っているでしょう。

 

先住犬の性格を考慮する

 

先住犬は、どのような性格でしょうか?

もし「他の犬を見ると吠える」「おびえる」など臆病な性格の子の場合、新しい子が同居すると体調を壊してしまうかも……。

 

たとえば保護施設からのお迎えの場合、トライアル期間を設けていることがあります。ある程度一緒に過ごしてみて、仲良くなりそうならお迎えしても大丈夫でしょう。しかし明らかにストレスを感じているようなら、多頭飼いは慎重になることをおすすめします。

 

最優先はワクチン接種

 

ワクチン接種が終わっていないワンちゃんをお迎えする場合は、万が一の可能性を考えて、先住犬とは触れ合わないように工夫してください。

別の部屋で飼育するのがベストですが、スペースが確保できない場合には、新しい子をケージに入れて管理しましょう。

 

早めにワクチン接種を完了して、仲間たちと思う存分遊べたら良いですね。

 

飼育費を確保できるか

 

ワンちゃんの飼育には、なにかとお金がかかります。「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の生涯でかかる費用は総額200万円だそうです。(※一般社団法人ペットフード協会調べ)

犬種やサイズによって多少上下するものの、それでもまとまったお金が必要なのは事実。特に最近は食品や電気料金などさまざまな値上げが続いていて、まだまだ右肩上がりが予想されています。

 

そのような中、プラス200万円を確保できますか?

1頭あたりの飼育費が生涯200万円だとして、2匹でトータル400万円、3匹だと600万円にも及びます。

 

「飼育費が生活を圧迫して、愛犬を手放さざるを得なくなった」となっては、ワンちゃんも人間も悲しいですよね。今現在の家計はもちろんですが、中・長期的に見ても飼育費がきちんと確保できるかどうか、どうぞ念入りにご確認ください。

 

1匹目のしつけが完了しているか

 

「メリット」の件でもお伝えしましたが、犬には仲間の行動を見ながら真似る習性があります。そのため1匹目のしつけがきちんとできていないと、その「できていない状態」を新しい子が真似る可能性があるのでご注意ください。

 

また、しつけを完了したはずの子が、新しい子の様子を真似ることもあります。たとえば、「今までおとなしい子だったのに無駄吠えするようになった」「トイレがうまくできなくなった」というようなケースは珍しくありません。“場合によってはしつけをやり直さなければならないこともある”と覚えておきましょう。

 

 

ワンちゃんの多頭飼いのポイント4つ

 

ワンちゃんの多頭飼いを成功させるためには、主に4つのポイントを意識しましょう。

正しく飼育すれば、今以上に生活が豊かになりますよ。

 

体のサイズは同じくらいが理想

 

多頭飼いビギナーの方は、先住犬と同じくらいのサイズの子を迎えると良いでしょう。

たとえば「小型犬×大型犬」の組み合わせだと、ただのじゃれ合いが怪我につながったり、散歩のときに歩幅が合わずに苦労したりします。

 

体のサイズが違うワンちゃん同士をうまく飼育している家庭もありますが、多頭飼いに慣れていない方には、まずは同じくらいのサイズの子をおすすめします。

 

多頭飼いについての規定を確認する

 

マンションやアパートにお住まいの場合、ペットの飼育に規定が設けられていることがあります。

「1匹だけなら可」とする物件も少なくないので、あらかじめ管理会社にご確認ください。

 

生活空間は別々に確保する

 

「みんな仲良く過ごしてくれたら」との思いで、ベッドやケージを共有させる方は少なくありません。

しかしワンちゃんのストレスを考えると、生活空間は別々に確保することをおすすめします。

 

ワンちゃん同士の仲が深まってくると、積極的に一緒に寝ることもあるでしょう。それでも「一緒に寝られる選択肢もあるけれど、一人で寝ることもできるよ」というように、まずはワンちゃん自身に選択をゆだねてください。

 

愛情は平等に

 

犬は感情を持つ生きものです。

新しい子を迎えるとどうしてもその子のお世話がメインになりがちですが、先住犬にも同じくらいのコミュニケーションをしてあげましょう。

人間でいう「赤ちゃん返り」と同じですね。「ぼくよりもあの子のほうが大切なの?」と心配させないためにも、常に全員に気を配り、平等に愛情を注いであげてください。

 

 

 

まとめ

 

ワンちゃんの多頭飼いには多くのメリットがありますが、先住犬の気持ちや相性、費用面なども考慮しなければなりません。

しかしすべてのポイントを乗り越えてお迎えすれば、きっと想像以上に充実した生活が待っているはず。

 

たくさんのワンちゃんに囲まれて、末永く楽しく暮らしてください!

メモリーズコラム