ペットちゃんとの感動・不思議なエピソード4選 ~「心」
は、確かにここにある~
ペットちゃんは、家族の大事な一員。
人間の言葉は話せませんが、心と心で通じ合える存在です。
お客様とのやり取りの中で、お客様がペットちゃんとの思い出を打ち明けてくれることがあります。
どのエピソードも、目に見えない不思議な絆を感じるものばかり……。
一例ですが、私が実際に耳にしたことのあるエピソードをお伝えします。
「ぼくなら大丈夫」そんな声が聴こえた
Aさんは、小学生のころに大型犬を飼っていたそうです。
人間と同じようなサイズということもあり、友人のように、あるいは兄弟姉妹のように、いつも行動を共にしていました。
ある日いつものようにペットちゃんを連れて公園に行ったら、たまたまクラスの子に遭遇。その子は学校でもヤンチャで、何をしてくるかわからないところがありました。
Aさんは「早くこの場から逃げなければ」という思いに駆られたそうです。
しかし次の瞬間、クラスメイトは石を投げてきました。「やめて」と叫ぶと同時に、石はペットちゃんを直撃。目の上を負傷したそうです。
急いで家に戻ったAさんは、悲しくて悔しくて大泣き。ペットちゃんは、怪我が痛いはずなのに、泣いているAさんの頬をずっと舐めてくれました。
そのときAさんは、「ぼくなら大丈夫だから泣かないで」という声を耳にします。しかし辺りには誰もいません。いるのは、じっとこちらを見つめているペットちゃんのみ……。
まさか。
それから数年後、ペットちゃんは虹の橋を渡ります。ペットロスに陥ったAさんは、それから動物を飼うことはありませんでした。
時を経て、Aさんは結婚。3回目の結婚記念日に、ご主人が子犬をプレゼントしてくれたそうです。その子犬は、あのペットちゃんと同じ犬種。そして、まったく同じ、うるんだ優しい目をしています。Aさんは、瞬時に「生まれ変わったあの子だ」と確信したそうです。
Aさんは現在妊娠中。「生まれてくる子どもと、新しいペットと、すてきな家庭を築きたい」と話しています。
「あなたを待っていたの」最後の力を振り絞って
Bさんは、高校生のころに小型犬を飼っていたそうです。親がペットショップで購入してきた子でしたが、部活や勉強で忙しかったBさんは、ほとんどお世話ができませんでた。
Bさんの唯一の仕事は、エサやり。たまに時間があるときだけ、散歩に連れていく程度だったそうです。
大学生になったBさんは、一人暮らしを始めます。そのまま卒業して就職したので、実家に立ち寄るのは年1~2回程度です。
しかしペットちゃんは、Bさんのことをしっかり覚えてくれています。
Bさんの姿を見るたびに、尻尾がちぎれそうなほどに喜びをあらわしてくれるのだそう……。
数年後、Bさんの元に一本の電話が入ります。
実家の母からで、ペットちゃんの具合が良くないとのことでした。
「医者からも長くないと言われている。もう自力で立つこともできない」との知らせに、Bさんは驚きます。
しかし会社を休むわけにはいきません。「もうすぐお盆休みに入るから、そのときに帰るね!」と伝えて電話を切ったそうです。
そしてお盆休みに入り、実家に帰省。弱々しくなったペットちゃんの姿を目にします。
言葉を失っているそのとき、ペットちゃんはよろよろと立ち上がり、Bさんを見て尻尾を振ってくれました。
Bさんはもちろん、ご両親も「今まで立ち上がることさえできなかったのに」と大変驚いたそうです。
Bさんはそのまま実家に一泊。翌朝リビングに向かうと、ペットちゃんはケージの中で冷たくなっていました。母親は泣きながら、Bさんに「あなたが帰るのを待っていたんだね」と声をかけました。Bさんも涙があふれて止まりませんでした。
「ほとんど構ってあげられなかったのに、私なんかのことを覚えていてくれて、ずっと待っていてくれて、ありがとう」
Bさんは、動かなくなったペットちゃんを、ずっとずっと撫で続けたそうです。
「あなたに命をあげるから……」身代わりになった愛犬
Cさんの父親は、重い脳の病気を患って、長い間入院していました。
医師の治療の甲斐もあり悪化はしていないものの、良くなる気配もない。「一生寝たきりかもしれない」と、家族の誰もが覚悟していました。
そんなとき、Cさんのペットちゃんが脳の病気を発症。これまで一度も病気も怪我もしたことがなかったのに、まさに突然の出来事でした。
ペットちゃんは動物病院に入院することになりました。食欲もなく、元気もない。呼んでも返事をしてくれない……。Cさんはこの時のことを「父もペットも入院していて、心が塞ぎ込みそうな日々でした」と言います。
ペットちゃんが入院した翌日、Cさんは不思議な夢を見ます。
入院中のCさんの父親が、公園で元気に散歩しているのです。その隣には、ペットちゃんの姿。仲睦まじい二人は、次第にやさしい光の中に吸い込まれていったそうです……。
それから数日後、ペットちゃんは動物病院で息を引き取りました。賢明な治療でしたが、容態が急変したとのことでした。
しかし、その数日後、父親に異変が起きます。治る見込みがないと言われていたのに、体調がみるみる快方に向かったのです。それから2週間後、見事に退院。まだ定期的な通院は必要ですが、「退院できるだけで奇跡だ」と医師たちは驚いているそうです。
ああ、もしかしたら、あの子が父に命を渡してくれたのかもしれない……。
ペットちゃんの他界と、父親の退院。Cさんは、ペットちゃんが父親の身代わりになってくれたのだと感じました。
「人の気持ちがわかる、とてもやさしい犬でした。父のこともよく慕っていたし、どうし
ても助けたかったのかもしれませんね」
Cさんと父親は、今でも元気に暮らしています。
「幸せでした」そう言ってくれた気がした
Dさんと愛犬との出会いは、保健所でした。
「ペットショップも良いけれど、今までつらい思いをしてきた子を幸せにしてあげたい」という強い思いがあったのです。
収容されているたくさんの犬たちは、吠えたり、威嚇したり、震えていたり……。「どの子もつらい過去を背負っている。この中から一匹だけを選ぶなんて」とDさんが途方に暮れかけていた時でした。
Dさんをじっと見つめる、白い犬。おびえるでも、威嚇するでもなく、ただ、うるんだ瞳でDさんを真っすぐ見つめていたのです。
その犬と目が合った瞬間、「この子だ!」と理解したそうです。そして、そのまま家族の一員に迎えました。
ペットちゃんは目立った問題行動はしませんでしたが、撫でようと腕を伸ばすとビクッとしてパニックを起こすことがあったそうです。Dさんは、「人の腕が自分に向かうのを怖がっている。前の飼い主にひどいことをされたのかも」と心を痛めていました。
Dさんは、時間をかけてペットちゃんとの信頼関係を築いていこうと決意。たくさんの愛情をかけて、少しずつ、少しずつ距離を縮めていったそうです。
それから数年、ペットちゃんはDさんにすっかり心を開いてくれました。フリスビーで遊んだり旅行に行ったり、一緒にたくさんの思い出をつくったそうです。
しかしもともと年齢が高かったペットちゃんは、次第に介護が必要な状態に。食事やトイレなど、Dさんは一生懸命にお世話をしました。
ある日、Dさんが仕事から戻ると、ペットちゃんが「キューン」と小さな声をあげて立ち上がりました。しかし足元がおぼつきません。
「どうしたの?」とDさんが床に膝をつくと、ペットちゃんはDさんの膝にあごを乗せて、べったりと座り込みました。小さく呼吸をしていますが、目は閉じています。瞬間的に、Dさんは最期を悟ったそうです。
Dさんはそのまま最期を看取りました。とてもやすらかな最期だったそうです。Dさんは覚悟していたものの、いざ死を目の当たりにすると涙が止まらなかったと言います。
その日の夜、Dさんの夢にペットちゃんが出てきました。
ペットちゃんの名前を呼びますが、返事はありません。
ただ、遠いところから、「幸せでした、ありがとう」という声が聴こえてきたそうです。その瞬間、Dさんは夢から覚めました。
つらい過去を背負って生きていたペットちゃん。
愛情にあふれたDさんと暮らしたことで、再び人間に心を開き、かけがえのない絆も築きました。
ペットちゃんはきっと、どうにかしてお礼を伝えるために夢に出てきてくれたのですね。
お空へのぼっても、ずっとDさんを見守ってくれるでしょう。
まとめ
ペットちゃんとの感動・不思議なエピソードは決して少なくありません。
ペットちゃんは、「心」ともって接すれば、必ず「心」で返してくれるのですね。
ペットちゃんと人との絆は永遠です。
虹の橋をわたっても、生まれ変わって必ずまためぐり会えますよ。