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2026.11.03
コラム記事
熊本弁で伝える、あの子への想い
― お空でも、元気にしとるね? ―

お空でも、元気にしとるね?
ちゃんとご飯は食べよるね?
寂しくはなかね?
姿が見えなくなってからも、気になることは変わりません。暑い日には暑くなかろうか、寒い夜には寒くなかろうか。もう苦しさのない場所にいると信じていても、やっぱり気にかけてしまいます。
ずっと、そうやって一緒に暮らしてきたけんね。
お別れをしたからといって、急に心配せんようにはなれんとです。
玄関を開けた時、いつもの場所を見てしまう。
買い物に行けば、好きだったおやつに目が止まる。
そろそろ帰らんと、と時計を見てから、迎えてくれる姿がないことに気づく。
頭では分かっとる。
それでも、体のほうが先に、あの子のいる毎日を続けようとします。
そんな自分を、おかしいと思わんでください。
それだけ長い間、気にかけながら暮らしてきたということです。
ご飯は食べたかな。
今日は元気があるかな。
寝床は汚れとらんかな。
何でもないようで、毎日欠かさず気にかけていたこと。その一つひとつが、大切にしてきた時間です。
私にも、愛犬とのお別れで残った後悔があります。
もっとしてあげられることがあったんじゃなかろうか。
あの時、違う選択をしていたら。
もう少し早く、気づいてあげられたら。
考えても戻れないと分かっていても、考えてしまう。夜になって静かになると、昼間はこらえていた気持ちが出てくることもあります。
だから私は、「もう元気を出さんと」とは、簡単に言えません。
会いたかですよね。
もう一回でよかけん、抱っこしたかですよね。
頭を撫でて、いつもの匂いを確かめて、名前を呼んだらこちらを向いてほしい。
その願いがかなわない寂しさは、励ましの言葉だけでは埋まらんとです。
それでも、最後の日のことばかり浮かぶ時には、少しだけ、それより前のあの子にも会いにいってください。写真を開ける日が来たら、元気だった頃の姿も見てあげてください。
ご飯の時だけ、急に元気になっていた顔。
知らんふりをしながら、しっかりこちらを見ていた目。
寝ている家族の真ん中で、一番気持ちよさそうに眠っていた姿。
「そこは私の寝る場所たい」
そんなふうに言いながら、結局は端っこに寝ていた夜も、大切な思い出です。
一緒に暮らす中では、困ったこともあったでしょう。
いたずらをして、叱ったことも。
忙しい時に限って甘えてきて、ちょっと待ってと言ったことも。
今になると、そんなことまで懐かしくなる。
もう一回困らせてくれてもよかよ、と言いたくなります。
大事にしていたおもちゃ。少し傷のついた家具。服についていた毛。
ほかの人には何でもないものが、ご家族にとっては、確かにここにいた証になります。
急いで片づけんでもよかです。
逆に、見るのがつらくて、いったんしまってもよかです。
置いておくことも、しまうことも、愛情の深さを測るものではありません。今のご自分が、少し息をしやすいほうを選んでください。
そして、ふとした時に、そばにいるように感じることがあります。
いつも寝ていた場所へ、自然と目が向いたり。
夢の中で、懐かしい姿に会えたり。
風が入ってきた瞬間、あの子の顔が浮かんだり。
それが本当にお空からの合図なのか、私には分かりません。
けれど、その瞬間に少し心が温かくなったなら、無理に打ち消さんでもよかとです。
「なんね、帰ってきとったと?」
「今日はそばにおるとね」
そう声をかけたくなったら、かけてあげてください。
誰かに証明せんでも、ご自分の中で大切にしていい時間です。
私は、お空へ旅立った子たちにも、ご家族の声は届いていると信じています。
毎日聞いてきた声です。
ご飯を用意してくれた声。
眠る前に、優しく名前を呼んでくれた声。
ちょっと怒った時の声まで、慣れ親しんだ、大好きな家の声です。
だから、特別な言葉を用意せんでも大丈夫。
「今日は雨の降りよるよ」
「あなたの好きなおやつ、買ってきたよ」
「さっき、そっくりな子に会ったとよ」
そんな話の続きを、聞かせてあげてください。
お別れの時に、言いたかったことを全部言えなかったご家族もいらっしゃるでしょう。涙ばかり出て、何も言えなかった。頭が真っ白になって、ただ見つめていた。
でも、伝える時間は、あの日だけではありません。
今日、名前を呼んでから話してもよかです。
写真を拭きながら、「可愛いね」と言ってもよか。
寝る前に、心の中で話しかけてもよかとです。
ご家族との間には、これまで積み重ねてきた時間があります。一度うまく言葉にできなかったからといって、そのつながりがなくなることはありません。
「ありがとう」よりも「ごめんね」が先に出てくる日もあります。
そんな日は、無理に言い直さなくても大丈夫です。
ただ、少し落ち着いた時に、一つだけでも、一緒に笑った日のことを思い出してみてください。
あの子の一生には、最後のつらい時間だけでなく、安心して眠った夜も、嬉しくて駆け寄った日もありました。ご家族にとっては当たり前だったお世話が、その毎日を支えていました。
毎日、完璧にできた人ばかりではありません。
忙しかった日も、疲れていた日もある。
それでも気にかけて、ご飯を用意して、待ってくれている家へ帰ってきた。
その暮らしの中に、愛情はちゃんとありました。
私はメモリーズのお見送りで、ご家族がペットに触れていられる時間を、大切にしたいと考えています。
言葉が出ないなら、黙ったままでよかです。
同じ名前を何度呼んでも、よかです。
撫でながら笑ったあとに、また泣いてもよかとです。
きれいに気持ちをまとめなくても、そのままのお気持ちでお別れをしていただきたい。私自身に後悔があるからこそ、急がずに過ごしていただきたいのです。
お見送りを終えた後、ご自宅がいつもより静かに感じられることがあります。小さな足音も、ご飯を催促する声も、暮らしの一部だったと、あらためて気づきます。
最初は、その静かさがつらい。
けれど、日がたつ中で、同じ場所を見ながら、少し笑って思い出せる時も出てきます。
「あそこで、よう寝よったね」
「食べることになると、早かったね」
笑ったあとで涙が出ても、それでよかです。
寂しさと懐かしさは、一緒にあっていいのです。
元気に過ごせた日があっても、置いて先へ行ってしまうわけではありません。あの子の話をせずに過ぎた一日も、忘れていた一日ではありません。
一緒にいた時間は、暮らし方や、ものの見方にも残ります。
道で出会う小さな命に目が向くこと。
寒い夜に、お外の子を気にかけること。
そんな優しさを、あの子から教わったご家族もいらっしゃるでしょう。
姿が見えなくなっても、もらったものを、ご家族は持ち続けています。
今夜も、話したくなったら名前を呼んでください。
「今日は、こんな一日だったよ」
「やっぱり、会いたかね」
寂しい気持ちを隠さなくても大丈夫。
ご家族の前で安心して甘えていたあの子に、今度はご家族が、少し甘えてもよかとです。
お空でも、元気にしとるね。
こっちは今日も、あなたの話をしよったよ。
会えんのは寂しかけど、うちに来てくれて、本当によかった。
そんな言葉を、いつもの声で。
あの子はこれからも、お空から、大好きなご家族の毎日を優しく見守ってくれます。
眠る前には、ひと声かけてあげてください。
「おやすみ。また明日、話そうね」
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熊本県内でペットとのお別れにお困りの時は、熊本ペットの訪問火葬メモリーズへお電話ください。
「何からしたらよかか分からん」
そんな時も、ひとりで抱え込まんでくださいね。うまく話せなくても大丈夫です。私が一つひとつお話を伺います。
ご自宅へお伺いし、大切なペットのお見送りからご返骨まで、心を込めてお手伝いさせて頂きます。
